師範の呟き【物】<トキオクマガイ>のノートブック

 

こちらのノートブック、1980年代に<トキオクマガイ>のショップで販売されていたものです。スタイリストとはいえ服馬鹿のアタシですから、ステーショナリーはチンプンカンプンで、「へえ~トキオのノートブックはゴムバンドが付いているから下膨れしないんだ」程度の認識。そう正に青二才の理解度しか持ち合わせていなかったのですよ。

ご存知かもしれませんが、このノートブックのオリジンは<モレスキン>で、恐らくは同ブランドへのオマージュが籠められているのだと思うのです。<モレスキン>の誕生は19世紀後半。フランスの製本業者によって手作業で作られ、パリの文房具店で販売されていたゴムバンド付きのノートブックです。ゴッホやピカソなど多くの著名人が愛用していたことで知られる逸品ですが、一時1986年に生産を終え、その後1997年にイタリアで復刻されたのだそう。当時、<モレスキン>を愛してやまないパリの文具店は「Le vrai moleskine n’est plus,”(本物のモレスキンはもう存在しない)」という言葉を残しています。

時代的にもピタリと符合するのです。そうかあのときの登喜夫さんも同じ気持ちだったのですね。いやいや流石、登喜夫さんは偉大だ!