師範の呟き【服】<ブラックフリース バイ ブルックスブラザーズ>のジャケット

2007年から2015年まであったブラックフリースの、ファーストコレクションのジャケットです。ファーストですから、トム・ブラウンも気合が入っていたのでしょう。メイド・イン・イタリーで、よくできています。ナロウラペルで着丈もも短い、トム・ブラウン節が全開です。彼のベースにある「洒落者だったお祖父ちゃんのワードローブ」というテーマがよくでています。

最初、伊勢丹で見せてもらったときに、とても気に入ったのですが、50万円ぐらいしたので、さすがに躊躇しましてね。ちょうどその頃、雑誌『東京カレンダー』の仕事でNYへ行く機会がありまして、ブルックスブラザーズの店に取材に行ったら、これがあったんですよ。

お値段は2500ドルぐらい。これはもう買うしかないなとカードを出したら、向こうのプレスのアーサーが「ちょっと待て」と。「俺の社販にしてやる」と言ってくれましてね、これ幸いとシャツやらなんやら全部で2000ドルぐらい買わせていただきました。

トラッドの生き字引でもあるSHIPS役員の鈴木晴生さんは、これ見て唸ってました。オンワード樫山で、ピータージョンストンが来日したトランクショーでは、君はなんてクールなジャケットを着てるんだと褒められましたし、モデルのデビッドも同じものを持っていると知って、以前道場で双子カットを撮影してもいます。

最近着てなかったら、虫に食われちゃってましてね。かけはぎに出して直さなきゃいけませんね。米国ブルックスブラザーズは経営破たんしちゃいましたが、アーサーは元気でいるのでしょうか。日本のブルックスブラザーズは新店をオープンしまして元気ですよ。青散歩で訪問したので、近々動画が上がりますので御覧ください。