4月の御点前

4月のテーマは「ビーフor チキン、スーツ or セットアップ」です。

アタシはカジュアルジャケットはセットアップで買うことが多いのです。上下バラバラに着ることができるからワードローブが拡がるのはいうまでもありませんが、主張が強いデザインのジャケットも上下合わせて着ることで品よくまとめられますから。

さてそんな訳で今季もカジュアルジャケットをセットアップ購入したのですが、これはドレススタイルの「スーツ」として捉えています。毎シーズン最低でもスーツを一着買うことを基本にしていますが、アタシにとってのスーツは基本的に素材、色、シルエットに縛りはないのです。そんな訳で選択は何より気分! 選択のポイントはそこに絞られます。

この春はこれまで拘ってきたクラシックを一度棚上げして、本質を変えること、概念としていうならモダンでカジュアルにできないかと、一昨年あたりから考えていました。もっと具体的にいうとイメージは80’s。あの時代のエッセンスが少し恋しくなってきたのです。で、最初は<ヨージ ヤマモト>とも思ったのですが、袖を通してみるとどうもピンとこなくてねぇ。今のアタシが求めているのはオーバーサイズや重ね着じゃなくて、ちょっとしたデザイン性とリラックス感だったんです。

そこでピタッときたのが<コム デ ギャルソン>。最初は<オム・ドゥ>や<オム・プリュス>のようにアヴァンギャルドなデザインでもいいかと思ったのですが、<オム>にした理由は7080年代のDCテイストを残しつつ、現代的な表現に置き換えているところ。つまりDCで育ったオヤジたちが着てもいい塩梅に仕上げられていると思うのです。デザイナーの渡辺淳弥さんはアタシと同年代だから基本的に趣味が合うのかもしれませんが、個人的なテーマも「BACK TO D.C.」とさせていただきました。

素材はコットン100%。買ってすぐに洗濯機でガラガラ洗い、アイロンをかけない状態で着るのがこのセットアップの良さであり、今の気分にもピタリと来ます。また洗いをかけたことでフライトジャケットの袖のシームのようにツレた感じを施した意匠もイキイキして来ますからねぇ。なにしろ往年の<オム>はこの洗い晒しが欠かせないポイントでもありますから、まさにこれぞ求めていたものに程近いといえましょう。

 インナーは<ヴァンドリ>さんの同系色ドレスT。下には<LIFiLL>の黒いコットンTを忍ばせるのがマイブームです。靴はスニーカーでもいいのですが、今回はあえて同系色を狙って<BALL BAND STORE>のコードバンペニーローファーを合わせてキチンと感も忍ばせました。年と共に首の皺が気になって来ましたが、今回はあえてバンダナなしで首元をスッキリと。インナーの黒Tがバンダナの代わりを担っていると言ってもいいかもしれません。