師範の呟き【服】 <ジョルジオ アルマーニ>のスーツ
振り返ってみると80年代は、DCブームとともにアルマーニ旋風が吹き荒れた時代でもあったと言えましょう。そもそもアルマーニが注目を集めるようになったのはテーラードであり、断然スーツですが、そもそもアタシが勤務していた編集部は70年代の後半辺りからアルマーニを追っかけていたのです。DC小僧だったアタシも随分感化されましてね。いつかは袖を通さなきゃと思っていたのです。
どうせ買うなら本場で、ということで、1986年ミラノの旗艦店で手に入れたファーストアルマーニがこちら。店に入ってキョロキョロしていたら、店員が寄ってきて「君に似合うのはこれだ」と突然2着のスーツを持ってきました。ひとつはシルク混の光沢があるものでしたが、着てみるとかなり怪しい雰囲気で、何しろこの体格ですから、これはかなり怖かろうと(笑)。そんな訳で、最初はちょっと抑え気味にということで、こちらのグレーに決めたのです。素材はコットンですが織り感のある素材で、袖を通してみるとさすがアルマーニ! と唸りたくなるほどシルエットが綺麗に出るのです。春夏もので、頻繁に着ていましたからクリーニングに出すことも多く、今ではクセが取れてしまい、当時の綺麗なシルエットは出ませんが、記念すべき一着ですから大事にしています。