師範の呟き【服】<モヒート>のボートネックセーター

 

<モヒート>はデザイナーの山下裕文さんが、ヘミングウェイのワードローブをテーマに「道具としての服」を手掛けているブランド。山下さんは元プロペラなので、アメリカントラッド&カジュアルには、ものすごく詳しいんです。

このセーターは前後ろが無い、<モヒート>流のガンジーセーターです。本物のガンジーセーターは<ル トリコチュール>なんかが本物で、イギリスとフランスの間のガンジー島で生まれた漁師が着るセーターのこと。セントジェームズのボーダーシャツが近いですが、こちらはもうちょっと肉厚で保形性があるのでボックス型のシルエットがカッコいいんですよ。着丈も短くて袖は七分、こういうのはカットソーというよりニットの部類じゃないかと思います。

中にTシャツを着て、ばさっと被る着方が基本です。肩に重心があって、裾が逃げるように着ると、ボトムズはジーパンでもカーゴでもチノーズでも何でも似合う。イギリスとフランスのハイブリッドなところがまたいいんですよ。服好きなら、きっとわかってもらえると思いますよ。

売ってそうで、売ってないニットですね。ビームスに着ていったら、「良いですね、それ」と羨ましがられましたよ。亡くなったシップスの中澤さんも同じの持ってましたね。ヘミングウェイが着ていたかどうかはわかりませんが、大人の服好きに響くのでしょうね。