師範の呟き【欲】 <スローン レンジャー トーキョー>のツイードスーツ

銀座のヴインテージビルの一室でサロンのように寛げるスローン レンジャー トーキョーは、我が道場の会員でもある大西慎哉さんが主宰する店。2021AWは映画「炎のランナー」へのオマージュをテーマに、192060年代風のモダンなテーラードを提案しています。

なかでも興味深かったのが、2019年産北海道恵庭市の羊ボルドーセット種の純国産ツイードJ.SHEPHERDS(56o g/m)を使用したスーツ。スリーピース1着分で3頭分の羊の毛が必要になるそうですが、現在日本には2万頭の羊しかいないといいますから、その希少性は極めて高いわけです。また生地耳には作られた年度が記されているので、さながらヴィンテージワインのように微妙に異なる特性を楽しむのも堪らない趣になりそう。

スーツはイギリス人で1924年のパリオリンピック陸上金メダリストエリック・リデルが着用していたスリーピースを意識したものとか。ジャケットは1920年代風のAラインハッキングをモチーフに、フィッシュマウス、ピンチバック、ダブルウエストコート仕様を提案しております。