師範の呟き【欲】<ダンヒル>のジャケット
<ダンヒル>は男のライフスタイル全般を手掛けながらも、ラグジュアリーだけでは語れない男の遊び心をくすぐる魅力があります。その歴史は1893年に遡り、創業当初は自動車愛好家のためにアクセサリーや小物を販売する「ダンヒル モートリティーズ」にはじまりますよね。革のケースで時計を包み、ダッシュボードに取り付ける「ダッシュボードクロック」や、遠くにいる警官をいち早く発見してスピード違反を免れるための「ボビー・ファインダー」などユニークかつ粋な発明がその代表として知られています。その後、1941年には片手で着火できるライターを製作。「コールマン」マスタードの缶を利用したユニークな発想は、現在同ブラントで発売されている「ユニークライター」の原型となり、現在でも<ダンヒル>のライターを代表するデザインのひとつになっています。後の1950年代には革命的ともいわれるガスライターを開発。こうした数々の革新が<ダンヒル>のライターを不動の銘品にしたのは周知の通り。
つまり<ダンヒル>は男の趣味、嗜好の世界に始まり、”製品が持つべき実用性”と”こだわりを持つことの楽しみ”に敬意を払うことを信念に、ものづくりを進めているから男心の本質を突いていると思うのです。現在この<ダンヒル>の信念は、2017年5月にクリエイティブディレクターに就任したマーク・ウエストンに受け継がれています。ここで紹介するダブルブレステッドのジャケットはまさにダンヒルならではの粋な遊び心が表現されている一着と思うのです。”これがモードです”的な主張は控え、シンブルかつ斬新な作風はそれを確と語ってるでしょ。これナイス! !