師範の呟き【物】<フェアファクス>のカラークリップ
VANを知ったアイビー少年の頃は、ラウンドカラーに安全ピンみたいなクリップを留めるシャツを着ていたように思います。衿に刺すと穴が空いちゃうやつね。当時はあまり気にしなかったけど、いまなら衿にピンを刺すのはちょっと躊躇っちゃうよね。その後にコンチネンタルに傾倒しまして、ようやくピンホールカラーのシャツになりまして、最初から衿に穴が空いてるから罪悪感がないよね。片端がねじ込み式のカラーピンは、留め具を無くしがちなんだけど。
80年代、NYスタイルのトラッド2型時代は、カラークリップを使うことが多くなりました。なかでもラルフローレンはカラークリップの使い方が上手かった。当時のラルフのチーフデザイナーはサル・セザラニさんというイタリア人だったから、センスがよかったんですよ。日本でも「セザラニ」というブランドをやってましたね。日本の「セザラニ」のディレクターは山岸さんという方で、この方は元VANだったですね。
話が横道へ逸れましたけど、80年代からカラークリップは、ずっと欠かさず持っています。スタイリストをやるときの道具箱には必ず2~3個入れています。使ってるうちにクリップの間が開いてくるので買い直したり。長さ違いでもいくつか持っています。これは<フェアファクス>のものです。一時、騒ぎになりましたけれども、いまは引き取り手が見つかってブランドは継続しています。前の創業社長の慶伊さんはいまYouTuberをやられていますね。
未だにカラークリップを使うときはラウンドカラーのシャツにしちゃうのは、中学生の頃に覚えたからなのかもしれません。