師範の呟き【物】ミッキーマウスウォッチ

ミッキーマウスウォッチとの出会いは小学生ぐらいかな。近所の時計屋さんのショーウィンドウに飾ってあったのが、当時1万9000円ぐらいでね。トランペットが欲しい黒人の子どもみたいに眺めてたことを覚えています。中学生のときに買ってもらってからは、毎日していました。リボンベルトでしいてね、アイビーとのコーディネートも相性が良かったんです。

20年ぐらい前、NYのディズニーストアで買ったミッキーマウスウォッチは、箱から出さずに飾ってあったのですが、ある時計職人にお渡ししてカスタムしてもらうことにしました。25ドルだったので、好きなようにしてくださいって、おまかせで。

完成したのが左の時計。ケースはシルバーの鋳造で、ムーブメントはエルメスのクリッパー、リューズはドイツの懐中時計のパーツを使った完全オリジナル。ベルトは国産のNATOのベルトです。スマートターンナウトはエッジが解れてくるんでね。汚れたら、定期的に買い替えてます。ベルトが汚いのは、ミッキーマウスが可愛そうですからね。

もうひとつ右のジャンピングアワーは、いただきものです。高いものじゃないんですよ、いわゆるパチもんてやつですが機械式でね。デザインがとってもカワイイくて気に入ってるんですが、チャイナムーブは止まったり動いたり、安定しないんですね。そうしましたら拾う神はいるもので、知人を伝いで、この時計を輸入しているメーカーさんと出会うことができたんです。中身を交換してもらったら、とても快適に動きます。時間のズレなんて気にしないですよ。時間はケータイ見ればいいんですから。

ミッキーマウスウォッチならなんでもいいわけじゃないんです。両方とも文字盤に描かれているミッキーの腕が針になっているでしょ。ここがポイントなんですね。このデザインの時計には、どうしても惹かれてしまうんです。思い返せば、中学生のときに買ってもらったミッキーマウスウォッチがそうだったんですね。子どものころ好きだったモノが、大人になっても好きなんです。

いま欲しいのはジェラルドジェンタのレトロファンタジー。ミッキーマウスがゴルフしているシリーズがあるんです。以前、生前の夏木陽介さんがしてらっしゃるのをみて欲しかったんですが、当時70万円ぐらいだったかな。中古市場では、だいぶ値段がこなれてきましたけど、もうひと声といったところ。ボーイズサイズなので、アタシの腕に乗るかどうかも、いちど手にして試着しみたいんです。