師範の呟き【物】<クロムハーツ>×<ジャガールクルト>の「レベルソ」

90年代は年に4~5回、仕事でLAに行ってた頃がありました。当時、スタッフやクライアントを連れて、メルローズ アヴェニューのマックスフィールドによく行ってたんですよ。そこは当時、クロムハーツがLAで一番、いや世界で一番の品揃えでしてね。ジュエリーに混じって、バイクのシートやギターのストラップなんかに混じって、まだ日本に入ってなかった時計もあったんですよ。見るとフェイスはロレックスでね。当時で1万ドルぐらいだったかなぁ。買っちゃおうかとも思ったんだけど、日本に戻ったときにクロムハーツの代理店の方から「あれ、文字盤だけで中身はセイコーやシチズンなんですよ。だから日本に輸入できないんです」と言われましてね。向こうの人たちは機会式時計の中身なんかにゃ興味ないんでしょうね。

その時は、あぁ買わなくてよかったな、と思ったんだけど「青柳さん、お好きな時計を持ってきてくれたらリチャード(※クロムハーツのCEO、シルバージュエリーデザイナー)に頼んでおきますよ。ただし、見積もりも納期もお出しできませんけどね」と、その代理店の方に言われましてね。ちょうどその頃手に入れた、ジャガー・ルクルトのレヴェルソが、どうにもアタシの腕に似合わなかった。どうにもこの太い腕に華奢で繊細な時計が似合わないんだね。そりゃそうなんですよ、それまで愛用してたのはブライトリングのパイロットウォッチなんだから。で、お願いしますとお渡ししたわけです。上がってきたのは2年後のこと。ホントに忘れかけた頃でした。保証書も付いてましてね、「AOYAGI WATCH」って書いてある。

いろんなところで言われますよ、見せてくれだの、触らしてくれだの、売ってくれだの。「200万で売ってほしい」なんて、言われましたよ。あんまり目立つんでね、どこへ言っても時計の話ばかりになっちゃうもんだから、目立ち過ぎるんで、最近はあまりしないようにしてるんですよねぇ。