師範の呟き【靴】<トキオ・クマガイ>の靴

これまで何度か<トキオ・クマガイ>の品を紹介してきましたが、氏は元々ウイメンズのシューズデザイナーにはじまりますから、やはり靴は十八番であって数多くの名品を遺しています。

今回紹介する一足はそんな氏の作品の中でも売れに売れた名品で、イトキングループに移籍したファーストコレクションで披露されたもの。旧山手通りの鉢山町付近にあった旗艦店で行われたショーは吃驚するほど新鮮で、マオカラーのスーツにこの靴を合わせたネパール人モデルが、颯爽とランウエイを闊歩する姿は今でもアタシの脳裏に確と焼き付いています。

さて、今あらためてこの靴を眺めて思うのは、これはイントレチャートじゃないか!ということ。イントレチャートといえば<ボッテガベネタ>を想像される方が多いかと思いますが、実は<トキオ・クマガイ>の靴をヨーロッパで展開していたのは<ステファンケリアン>というブランドで、ここんちの定番靴はイントレチャートで作られていたんです。革の出どころは不明ですが、もしかしたら繋がりがあるのかもしれません。いやいやこうして昔のことを掘ると色々面白いことにぶつかりますが、今フツーに履いていても格好がいい! そう思うとうやっぱり<トキオ・クマガイ>の靴は不滅の名品なのですねぇ。