師範の呟き【服】<ベルスタッフ>の「スピードマスター」

雑誌のスナップなんかにでてくるイタリア人って、スーツにテーラードのコート着てそうなイメージですが、そんな人はピッティ会場の業界人ぐらいで、街中のビジネスマンはそんなコスプレしてないですね。M-65とかベルスタッフのライダーズとか、腰丈のフィールドジャケットを着ている人、結構いるんですよ。こっちのほうがリアリティがありますでしょ。スーツの上にベルスタッフを着ることがよくあります。道場の出張でも着ていったことがありますね。

これは「スピードマスター」というモデル。立体裁断なのでライディングポジションのときに背中が出ないところとかポケットの仕様なんか、バイクに乗る人のことをちゃんと考えてるってことがわかります。ラインとベルトがリフレクターなのも安全性のポイント。

ベルスタッフはバイク乗りのことを本当によく知ってるブランドです。小柄な日本人にはちょっと重たいところもあるけど、大柄の人にはちょうどいい。少し前、日本に上陸したときラグジュアリーブランドとして展開しようとしたんです。ベッカムがイメージキャラクターでね。カッコよかったけどあんまり盛り上がらなくて、2年ぐらいで撤退しちゃった。もっとしっかりバイカーブランドとしてやったほうがよかったんじゃないかな。VANSONと肩を並べるぐらいにはなったと思うんですがね。

いま持っているベルスタッフは3着。こいつはだいぶ撥水性が落ちてきたので、そろそろ寿命なんですが、もう買えないかと思うと、まだしばらく大切に着ようと思っています。ロロピアーナのストームライダーリネンとかもあるんですが、薄くてバイク乗るときはなんとなく着れない。そちらは、また改めて紹介しましょう。