師範の呟き【物】<トキオクマガイ>の時計
ベルトじゃないですよ。これ実は、7月の御点前のときにしてた時計なんです。バックル式のリザードベルトの剣先を留めるメタルループに2針の時計がついている。80年代の<トキオクマガイ>のものなんですが、これを超えるファッションウォッチは未だに出ていないと思っています。
当時の広告がまたカッコよくてね。写真がブルース・ウェバーだったんですよ。モノクロでね、裸の男の人が赤ちゃんを抱いてましてね、この時計をロングヘアにヘアバンドみたいに巻いてるんですよ。これにはヤラれましたねぇ。アートディレクターは馬場浩史さんという方で、SEIKOの広告もやってらしたんです。2013年にお亡くなりになられたんですが、この方にも影響を受けましたね。
何年か前に、THE RAKE JAPANの編集長・松尾のブログでスタイリストの野口強が同じものをしていましたね。編集長の松尾も同じの持ってるって。当時、ベルトの素材を変えた、いろんなバリエーションで登場しましてね。知ってるって人、いるんじゃないでしょうかね。
さすがにベルトの裏革がボロボロになってきたので、ちょっと前に心斎橋リフォームで貼り直してもらいました。時計ベルトの修理もやってるっていうので。ブランドのロゴは無くなっちゃったけどリザードの革の味が大事なんでね。こいつをブレスレットとして巻くんですよ。
小さくて針も見えにくくなってきたけど、ムーブメントはSEIKOのクォーツで、裏蓋をパカッと開けて電池を入れる方式です。機械式だとかにはあんまり興味がなくて。昔から針が動いていれば時間は合わせてなくたっていい主義なのです。その代わり、たまに電池は交換してますよ。時間を知りたきゃ、スマホを見ればいいでしょう。アタシはパカッと2つ折りのガラケーですけどね。