師範の呟き【靴】<トキオクマガイ>の豹柄プレーントゥ
先日<トキオクマガイ>の時計をご紹介したので、今日はちょっとしたお宝靴を。これはファーストコレクションです。パリにアトリエを開いた40年前の靴。ハラコの豹柄のプレーントゥなんて、当時は斬新すぎてなかなか理解されなかったでしょうね。あの頃の<トキオクマガイ>は、マッチョなイメージのコレクションでね。ぶっ飛んでるくらいカッコよかった。どちらかというとパリというより、NYっぽかったですかね。
当時、パリのアトリエにあった靴は、フランスの<ステファン ケリアン>が手掛けてたんです。80年代にイントレチャートの独創的なフォルムの靴が有名でしたね。いまの<ステファン ケリアン>は、一度休止して再開したブランドなんですよ。ところが当時、日本で展開していた<トキオクマガイ>の靴は、浅草の靴屋が作ってたんです。日本人の足型に合わせて作られているのでウィズは広めになっています。その代わり、捨て寸が無いのでちょっとばかりキツイので、パーティ会場で2時間だけ履く靴なんです。
熊谷登喜夫さんもこの靴を履いていたことを覚えています。シンプルな白いシャツにグレーのスラックス、そしてこの豹柄のハラコの靴を履いていた。今なら、同じようにコーディネートしてみたいですね。
この豹柄は毛足の長いハラコでしてね。たまに出して日に焼けないようにして干してるんで状態がいいでしょう。ボロボロになっても捨てられないですね。売ってくれと言われても、100万円でも売れません。服飾美術館になら寄贈してもいいけれど。