師範の呟き【物】渡辺美智雄先生オリジナルエプロン
さてこのエプロン、1980年代の後半に講談社刊「PENTHOUSE日本版」の撮影でお邪魔したときに頂いたものですが、実はこの撮影がとても思い出深いので、概略から記していきます。以前、同誌の編集者から「青柳さんのやりたい企画があったら聞かせてください」と言われたことがあり、そのときアタシは”政治家をモデルにした、ファッション撮影なんかどうですか” といったことがあるのです。実はこの撮影はその第一弾として企画されたもの。流石に当時の政調会長はアイドルタレント並みに多忙で、いただいたスケジュールは元旦の夕刻からと2日の午前。んな訳で、我々撮影スタッフは1月1日に先生のお宅を訪ねたのです。1日は同誌の政治記者のインタビューで、先生の「一緒にジンギスカンでもどうかにィ〜」とのお誘いを受け、我々もご招晩に預かったのです。SPがサーブしてくれるジンギスカンとオールドパーに舌鼓を打ち、この日は宿に戻り、翌2日はアタシの出番! ! まずは中折れ帽にチェスターコート、ステッキを携えたポートレートを撮影し、次は池の鯉を抱いての和服の撮影だったが、このとき先生の箪笥からラビットの毛皮を拝借。ちゃっかり首に巻かせて頂いたのでした。いゃあ〜実に楽しい撮影で、失礼するときに頂いた紙袋に納豆、目覚まし時計と共にこのエプロンが入っていたのです。今思うと大らかでいい時代だったな〜と。そんな記念の一品です。