師範の呟き【物】<DANSEN × フェアファクス コレクティブ>のコラボネクタイ
僕の仕事は1981年に勤務した『DANSEN/男子専科』に始まります。現在このネーミングを見聞きすると、「おっ、新宿2丁目!?」と思われる方が少なくないと思いますが、『男子専科』は1950年代に創刊した日本最古のメンズファッション誌です。僕は同誌の編集部に数年間勤務した後、フリーになりましたが、それでも素晴らしい上司・先輩の計らいで、フリーになってからも同誌の下で仕事させて頂けることになり深く深く感謝しておりますが、そんな『男子専科』は、1990年代の始めに惜しまれつつ休刊してしまいました。しかし、それから凡そ10年、4名のOBが集まり、復刊プロジェクトがスタートすることになり、僕もメンバーに加わらせていただいたのです。
ここで紹介するネクタイはすべて2014年の秋に出版した復刊第2号「英国気分特集」のときに限定で作ったものです。慶伊道彦氏監修のもと、英国の服地メーカー・エドウイン ウッドハウスの生地を使って、<フェアフアクスコレクティブ>で生産しました。ご覧のとおりどれもいい出来なので、僕のまわりは全柄買い! そんな訳で無事完売となりました。
しかし復刊プロジェクトはその後、暗礁に乗り上げ、僕もプロジェクトから脱退します。3号にわたる復刊で、クリエイティブとファッション、双方のディレクターを務められたことは。僕にとっては大変名誉なことであったと申せましょう。そう思うとこのネクタイはその記念の品であり、何物にも代えがたいお宝なのです。